正しい整理収納をすると、家族仲は部屋が散らかっていた頃よりも良くなっていきます。
それは、整理収納はただ収納の中にモノを収めるだけの行為ではなく、
家族みんなが快適に暮らすことができる家を作るための手段であるからです。
家族のことをよく理解し、思いやり、尊重しなければ家族みんなが心地よく暮らせる片付いた家にはなりません。
ところが中には『片付けをしようとすると家族仲が険悪になる』という人がいたり、
それでも片付けを進めてより関係がギスギスしてしまったり、
そのせいでなかなか片付けが進まない場合があります。
なぜ真逆の結果になってしまうのでしょうか。
それは、そもそもの『家族の気持ちや意見を尊重する』ということと真逆の行動をとってしまっているからです。
今回はそんな家庭の片付けでの4つの『NG行動』を見ていきたいと思います。
1. 突然の『ねぇ、片付けてよ』
自分がやる気になったタイミングで、相手の気持ちはお構いなしにやれやれ攻撃を仕掛けた場合。
子供の頃『早く勉強しなさい』と言われてかえってやる気を削がれた経験がある人も多いと思います。
今だって、やろうと思ってはいるけど溜まってしまっている家事を『早く家事やんなよ』なんて言われたら、『手が空いてるなら自分がやってよ。』と思う、、かは人それぞれかもしれませんが、少なくとも少しカチンときたり、不本意に思うはず。
相手にも、向き不向きもあれば、状況やタイミングもある。ということ。
出だしでやる気を削いでしまうとあまり良い結果が期待できません。
2. 『これもう要らなくない?』『これ捨てなよ』
自分の基準で相手の持ち物を『否定』すれば、反感を買うこと間違いなしです。
他人の目から見たらただのモノでも、持ち主にとっては思い出や思い入れが詰まっているモノなのです。
言っている本人はモノに対しての感想を言っているつもりでも、言われている側はまるで自分のことを悪く言われたかのように傷つくのです。
お互いの価値観が似ていて、片付けに対してやモノを持つ基準も近くなんでも話しあえる間柄ならまだしも、
たいていの場合は、怒ったり、反発したりといった反応しか得られませんし、繰り返し持ちものを否定され続けることで『自分は大切にされていない』気持ちにさえなるでしょう。
モノを大切にする、という言葉を「モノを捨てることはいけないことだ」という解釈で育ってきた親世代の片付けの場合には特に、これらのワードを出した瞬間にパタンと心を閉じてしまい、先に進まない原因になります。
3. 他の家族の持ち物を何も言わずに勝手に捨てる
もはや相手のことなどお構いなしですね。尊重の『そ』の字もありません。
気持ちは分かります。自分にとってはなんの思い入れも魅力もないものであれば、なんとも思わず、何気なく処分したのだと思います。
もしくは自分はなんらかの事情で早く処分したいのに、本人に確認したところで残しておくと言われて面倒だから、という理由かもしれません。
でも逆の立場だったらどうでしょうか?特別に大切なものでなくても決していい気はしないと思います。
これは、思い通りにしたいと自分の気持ちだけを考えた結果の行動です。
整理収納アドバイザーなどのプロに相談したとしても、
「これは旦那さん全く使ってないんですか。
ちょっと量も多すぎますね。 じゃあ気付かないうちに捨てちゃいましょう。」
なんてアドバイスをする人は一人もいません。
「旦那さんの持ち物は本人に判断してもらいましょう。」
たとえその道のりが険しかったとしてもそう言うでしょう。
もちろん片付けに大人のサポートを必要とする年齢の子供のモノなど、例外はあります。
4. 自分の意見や心地よさしか考えていない
自分が住みやすければ、自分の理想に近づけば、家族のスペースのことは気にしない。
むしろ家族のスペースを侵害してまで自分の都合を優先する。
家族の意見には耳を貸さないで自分の意見を押し通す。
そんな片付け方をしたら、家族は自分の居場所を無くし、居心地の悪さを感じることになるでしょう。
そんなことある?と思うような内容に見えますが、他の家族のモノが目に入ると「うわ、こんなに沢山…!」と気になるのに対して、自分の持ち物は比較的気にならないので自分では気が付いていないだけかもしれません。
表面の綺麗さやインテリアなどの見た目だけにこだわりすぎた結果であることも。
また、他の人が手を加えることを許さない、もしくは口出しをできる隙がない(する気にならない)個人のテリトリーになってしまっている場所が多すぎる場合も他の家族は居心地の悪さを感じてしまうかも。
一見キレイだけどなんだか暮らしにくかったり、散らかりやすく家族が協力的でない場合や家族がどこか一か所にこもりっきりになる場合などは自己中心的な片付け方になってしまっているかもしれません。
片付けは伝染する
家族とのやりとりがスムーズにいかなくて片付けがうまく進まない場合などは自分が家族に対してどのような言葉で行動を促していたか、独りよがりの片付けになってしまっていないか振り返って確認してみてください。
家族の言うことだから素直に聞けなかったり、家族だからつい言いすぎてしまったりすることは誰にでもあると思います。
でもその一言がきっかけで行動を妨げてしまっているかもしれません。
片付けは伝染します。片付けた結果が『気持ちいい』『スッキリする』ことを誰もが感覚的に知っているので、身近な誰かが片付けて気持ち良く過ごしていたり、スッキリして気分が良さそうなのを見ると影響されるからです。
だから、言葉で促すよりも自分が楽しそうに片付けをすることが家族を動かす一番の方法です。
これから片付けを始める人は、家族や家族のモノを否定するのをやめて、自分のモノを楽しそうに片付けることから始めてみてください。
共有のものは家族が使いやすく、みんながどこに何があるか分かる収納を心がけてください。
家族がくつろげるような、家族が好きなものがある部屋づくりを目指してみてください。
その思いやりが伝わって快適だと感じるようになってくると、きっとそれまでとは関係性や行動も変わってくるはずです。
また、家族の立場に立って片付けを進めることで、家族のことを今まで以上に理解することができるようになるので
それが生活に反映されてより良い関係を築くことができるでしょう。
まとめ
とはいえ、長年やってこなかったことを急にやる気にさせたり、行動を起こさせることは簡単なことではありません。
親世代の片付けとなると、余計に困難です。
そんな時には整理収納アドバイザーなどのプロの力を借りるという選択肢もあります。家族のことだからこそ、第三者が入った方がスムーズに言葉を聞けたり、スムーズに事が運ぶということはよくあります。
また、本人や家族が軽度の発達障がいである場合などはいわゆる『一般的な片付けの常識』のようなものが当てはまらない場合が多くなってきます。
このような問題はどうしても当事者や専門家でないと状況や原因を深く理解し難いと感じています。(当事者としての意見です。)
そんな時も、当事者としてADHDなどの発達障がいの方向けにサービスを展開している整理収納アドバイザーなどのプロの方もいらっしゃいますので、一人で抱え込まずに相談をしてみてください。
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